10話 続・魔物の討伐とかしに出かけて
何もしないでだらだらと過ごすハルトに呆れたグレンは、魔物を討伐する仕事をハルトにするように言った。
それを聞いたハルトは渋々ながらも聞き入れて平原へ魔物討伐へと出た
そこで、以前出会った狼獣人がハルト達に仕返ししようと襲いかかるが人数さで返り討ちにした
その後再び
目当ての魔物はなかなか見つからなかった
「…景色が全く変わらない場所進み続けるのにも疲れてきたんだけど」
「もう少し我慢してくれ」
「さっさと見つけて、すぐに倒して帰りたい…」
「わかった…。できるだけ早く倒せるように頑張ろうな」
平原を歩き続けて数分、洞穴を見つける
「こんなところに洞穴か…」
「なんかありそうだし、入ってみようよ」
そういってハルトが洞穴の入り口に近づくとギャスパーが止める
「待て、奥からなんか聞こえる」
「え…?」
耳を澄ますと洞穴の奥から微かに唸り声のようなものが聞こえる
「…もしかしてこの洞穴って魔物の巣穴?」
「おそらくそうだろうな。さっきまで見かけたのがあんなのがこれを使うにしては大きすぎるから、おそらく目的の魔物だ」
「…グレン、今更聞くけど今回のターゲットって大型?」
恐る恐る確認するようにハルトは尋ねる
「ああ、大型の獣だと聞いている」
「そういうの、早く言ってよ…」
グレンの返答を聞いてため息しながら不満を言う
「今更文句言ったってしょうがないだろう」
「そうだぞ。さっさと倒さないと早く帰れないんだしこのまま行こうぜ」
「…わかった。大型相手にするの面倒だけど行くしかないか…」
洞穴で唸っているであろう大型の魔物へ向かって洞穴の中へ入って行った。
自分だけの巣穴になっているようで洞穴の中には魔物は見かけず、代わりに巣穴の主に食べられたのであろう骨がむき出しになった動物の死体があった。
「…何度見てもいやだな、これ」
「多分この死体は、近辺の村から家畜を盗んで巣穴に持ち帰って食べた物だ。
依頼でそういった被害を起こしていたと聞いている」
「だから討伐対象になってるのか」
さらに奥に進んでいくと、外から聞こえていた唸り声も大きくはっきり聞こえてくるようになっていた。
「もうすぐそこまで居るみたいだね」
「もう向こうから近づいてきてるぞ。唸っても帰らないから力づくで追い返すつもりだろうな」
ギャスパーの言葉を聞いて、グレンが大剣を抜き出す
「なら、ここで迎え撃つまでだ」
ハルトも魔導書を持ち出して構える
「来たら速攻で魔法を放てばいいか」
ギャスパーの言うとおり、すぐに大型魔物は大きな足音を立てながらハルト達の前に現れた
「ストーンライズ!」
ハルトが魔物の姿を確認した直後に、魔法を唱えて発動する
地面から飛び出した岩は魔物の顎にぶつかる
いきなりの攻撃にのけぞったところに、グレンが大剣を振り下ろして追撃をする。
魔物はいきなりの連携攻撃を受けて倒れる
「次!ストーンフォール!」
複数の石が魔物の上に落ちて追い打ちをする
「ハルト、魔導書の魔力は大丈夫か?」
グレンがハルトに声をかける
グレンに言われた通り、魔導書の魔力を確認すると魔力がもう残っておらず、白紙になりかけていた
「ギャスパー!次の魔導書!!」
「任せろ!」
ギャスパーが宝箱の体から、出かける前にハルトが入れていた魔導書をハルトにめがけて吐き出す。
ハルトはそれを受け取り、魔力が切れかけている方を投げ返す。
ギャスパーから少し離れた方向へ飛んでいったが、ギャスパーはジャンプしてそれを飲みこんだ。
「…いつの間にそんなことを」
グレンが呆然と一連の流れを見てつぶやく
そんなことをしている間に魔物は起き上がっていて、雄叫びを上げた後ハルトに向かって駆け寄り前足の爪を振り下ろした。
ハルトは、それを何とか回避する。足にはめている輪のおかげで、瞬間ではあるが身体能力を強化して咄嗟の回避を成功させた。
「お返しだ!」
回避をした後、ギャスパーから受け取った魔導書から雷の魔法、サンダーを放つ
追撃にギャスパーが魔力で生み出した牙でかみつき、グレンは離れた距離から武器を大きく振り、それによって起きた衝撃波で攻撃をする。
魔物は攻撃に耐えきれずに倒れた。
「やっと終わったー…」
「あとは戻って討伐したことを報告するだけだ」
「そっか。それじゃさっさと帰るか」
「動き回って疲れたし、早く家で休みたいな」
雑談をしながらハルト達は魔物の巣穴を後にして、街へ戻って行った。
街に戻るとハルトとギャスパーは図書館に、グレンは酒場に移動した。
「ただいまー」
そういって図書館の中に入るハルト
「おかえり、無事に終わったようだね」
「借りた魔導書とあのアクセサリのおかげでね。ギャスパー、魔導書返すから出して」
「おう」
ギャスパーから吐き出された魔導書をルーレンに渡す
「…貸した魔導書が、目の前で吐き出されてそのまま返されるのは反応に困るな」
「吐き出したといっても箱だし、気にしなくてもいいでしょ」
「…ああ、そうだね」
そこへグレンも図書館に入って合流する
「こっちの方は終わったぞ」
「お疲れ。それじゃ家に変えろっか」
「そうだな。ところで、ハルト」
「何?」
「魔物の討伐の依頼がまだ何件かあったから引き受けてきた。しばらくは魔物の討伐に出かけることにするぞ」
「疲れるんだから、勘弁して…」