第一話
あのひのことを、おぼえている。
このカラッポのあたまのどこに、とどめるところがあったのかは、わからないけど・・。
そらは、ザーザーとなみだをながして、つられたように、あたしをだくおんなも、めからしずくをながしてた。
ゴメンネ、ゴメンネ。
やせたちちからは、もうあたしのいのちのみなもと、となるものをだせない。
ゴメンネ、ゴメンネ。
こわれたように、おなじことばをくりかえして、
そうして、あたしはすてられた。
あのひとがだれかも、
あたしがなにものかも、
せかいがどうなってるかも、
おしえられぬまま。
おんなのひとのかたをだく、くろいかげが、だれなのかも、わからず。
うめくことしかできなかったけど、ほんのうとは、すごいもので、
くろいけものにつれさられたとき、死をかんじた。
くわれる、とばかりおもっていたけど、
あたしをまっていたのは、けもののいぶくろではなく、くさをしきつめた、すとぼにゅう。
こどもをくいころされたばかりの、めすおおかみにひろわれ、
あたしはそのこたちの、かわりになった。
あたしは小狼。
人よりも、狼にちかい、いきもの。
こどばなんて、いらない。
ほんのうのままに、いきる。
それでしあわせだった。
あなたにであうまで。
初、小説。
兎に角、熱が消える前に完結させたい・・・たい!!!