第六十一通 学年末テストにむけて
バレンタインが過ぎ、二月も終わりが近付いていた。もう時期、学年末試験があるが、僕は特に気にもしていない。健介は春休みの補習だけは、免れようと必死になっている。
まぁ、そのお陰で僕はのんびりと過ごせるのだ。
『私の学校、もうすぐ学年末試験があるんだ。サイアク〜(泣)マサの所も、もうじき学年末でしょ? 勉強ちゃんとしてる?』
のんびりと机にうつ伏せになっていた僕に、安奈からのメールが届いていた。僕はこのメールを見て、苦笑いしてしまった。何だか、どこかで安奈に見られている様な気分だ。
『もちろん、やってるよ。流石にそろそろやばいからね(笑)真面目に勉強しなきゃ』
とり合えず、勉強をしていると返答する。まぁ、これも安奈に心配させ無い様にするためだ。別に安奈は心配している訳じゃないと思うけど、僕は安奈がそう思っていると完全に思い込んでいる。
授業が始まり安奈とのメールは中断された。暫しつまらない数学の授業を受け、休み時間に入ると安奈からのメールが届く。
『本当に勉強やってるの? 昨日、恵利ちゃんに聞いたら、漫画読んでるって言ってたけど』
全くその通り。僕は昨日、ベッドに横になり漫画を読んでいた。まさか、安奈が恵利とメールをしていたなんて……。
授業が始まる前に、安奈にメールを送ろうとメールを打った。
『漫画は息抜きだよ。勉強ばかりだと疲れるじゃない』
次にメールが来たのは、昼休みに入ってからだった。僕はいつもの様に冷たい風の吹く屋上で、弁当を食べながらメールを読んでいた。
『まぁ、確かに勉強ばっかりだと、疲れるよね。私も最近疲れを感じるわ……。きっと勉強のし過ぎね(笑)でも、若い内からそんなんじゃ駄目だよね。マサもそうなら無い様にね♪』
忠告は嬉しいが、時はすでに遅し。僕はすでにそうなってしまっている。何もしていないのに「疲れたー」と、連呼している。
呆れながら笑い、安奈へ返事を返す。
『そうだね♪ お互い勉強頑張ろう』
『うん。春休みは補習なんかしないでよ』
安奈にそう言われ、春休みだけは何とか補習を免れようという気持ちになった。僕はこの日から頑張って勉強をして、何とかテストを乗り切ったのだ。これで、春休みは補習をしなくても済みそうだ。