表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
間違いメール  作者: 閃天
58/65

第五十八通 変な女子高生

 何事も無く、学校が終った。健介は最後までチョコが貰えず、かなり落ち込んでいたが、きっと部活が終わった後に由梨絵から、貰えるのだろうが、きっと塩と砂糖の量を間違えてると思う。

 和彦は最後まで女子に追い回されていたが、結局どうなったのかは分からない。

 一人寂しく帰路に着く。冷たい風が僕の頬を通り過ぎ、口から吐き出される息は白く染まっている。足元に気をつけながら、そそくさと歩いていると、目の前を歩いていた女子生徒が滑って転んだ。

 僕は俯いて歩いていたため、その事に全く気付かず、そのまま通り過ぎたが、すぐに後ろから呼び止められた。


「コラ! 女の子が転んでるのに、普通にスルーするな!」


 始めは僕じゃないと思い、振り向かずにトボトボと歩いていたが、更に次なる言葉が飛んで来る。


「って、無視するな!」


 未だに自分の事だと思わず、俯きながら歩いていると、背後から何やら足音が聞こえる。僕はぶつかると危ないと思い、端によって道を譲った。


「エッ! 何で避けるのよ!」


 女子生徒の声が真横で響き、何かが僕の顔の横を通過し、女子生徒がまた滑って転んだ。流石の僕も、これには気付かざるえなかった。


「イテテテッ……」


 ミニスカートを右手で押えながら、左手でお尻を摩っている女子生徒。どうしたらいいか分からず、僕はとり合えず右手を差し出して言う。


「大丈夫ですか?」

「大丈夫なわけ無いでしょ!」


 少し怒りの篭った声で、女子生徒は僕の手を取り立ち上がる。制服からすると、この辺の高校の制服ではない。あんまり、関わり合いたくなかったので、すぐにその場を去ろうとしたがそれは、不可能だった。


「ちょっと、何処行くつもり?」

「どこって、帰るんですけど……」

「こんな可愛い女子高生を、一人置き去りにしてか?」


 自分で可愛いというか。全く変なのに絡まれてしまったと、後悔する僕を彼女は睨みつけてくる。


「何? まさか、変なのに絡まれたと思ってるんか?」


 まさに、その通りだ。だが、流石に初めて会った人に、そんな事言えずにとり合えず微笑みながら口を開いた。


「まさか……」

「本当か? なら、案内してくれんか?」

「どこにですか?」

「ここ」


 彼女は手に持っている紙切れを僕に渡した。それには、駅から僕の通う高校までの地図らしき物が描いてある。所々省略されているが、何となく分かる。なぜ、僕の通う高校に行きたいかは、分からないがとり合えず案内する事にした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ