第三十五通 勉強会?
とても重い足取りで、僕は帰路についていた。その横には、アホみたいに笑う健介の姿があった。色々とあり、今日から僕の家で、勉強会をする事になった。
安奈からメールが届いているが、返事を返す事が出来ないでいた。
「ねぇ……。もうちょっと、静かに出来ない?」
「ナハハハハッ。何言ってんだ。俺は静かにしているぞ」
「ハハハ……。そうなんだ」
そう言うしかなかった。もう何を言っても、聞いてくれないだろう。と、言う事で僕は何も言わずに、歩き続けていた。うるさい健介の横を歩いていると、周りの目がこっちに向き、とても恥ずかしい。
そんな事を、気にしていない健介が、信じられなかった。
僕の家に到着すると同時に、健介が発した言葉は、
「なぁ、腹減った。何か食わせろ」
だった。遠慮と言うものを知らないのだろうか。ため息だけが、毀れた。
まぁ、とりあえず黙って貰う為に、僕はキッチンに立った。冷蔵庫にある物で、何を適当に作る事にしたのだ。だが、なぜ人の家でご飯を食べようとするのか、理解できなかった。
「なぁ、まだか?」
「まだかって……。そんな簡単に作れないよ」
「それじゃあ。俺、テレビ見てるから、出来たら持ってきてくれ」
そう言って、健介がテレビをつけたのが分かった。全く、僕は健介の奴隷じゃないんだぞ。文句も言えず、僕は冷蔵庫にあったもので料理を作る事にした。
暫く何を作るか悩んだが、結局炒飯を作る事にした。一番、作るのが楽だからだ。材料を適当に切り、フライパンで炒め、そこにご飯を入れた。後は適当に味付けし、適当に皿に盛り付けた。名づけて適当炒飯。
それを、健介に持っていくと、すぐに喰らいついた。そんなに、お腹が空いていたのだろうかと、疑問が生まれたが口にはしなかった。
「いや〜。お前、料理だけは上手いな」
「それより、食べたなら勉強始めようよ」
「ふぁ〜っ。ワリィ、俺寝るから、起こしてくれ」
健介はそう言って、ソファーの上に横になる。何しに来たのか、全く分からない。
その後も、健介は眠り続け勉強をする事無く、帰っていった。本当、何しに来たんだ。結局、飯食って寝て……。本気で勉強する気があるのだろうか……。
そして、この勉強会? らしきものは、期末テストが終るまで続いたのだった……。