第三通 メル友
メル友になってから、一週間が過ぎた。
僕は気にしてなかったが、メル友は女の子で僕と同じ高校二年生だった。
名前は鈴木 安奈。
サッカー部のマネージャーをやっているらしい。走る事が好きで、一時期陸上部に入っていたらしいが、何か嫌な事があって辞めたらしい。
何があったかは、本人も教えたくないだろうから、詳しくは聞かない事にした。
得意な科目は国語と社会。苦手な科目は数学と化学・生物。
と、色々と聞いた。
僕も色々と教えた。得意な科目(無い)や苦手な科目(全部)や部活(帰宅部)など。
まぁ、教えても教えなくても同じような物だが、彼女が聞いてきたので一応答えただけだった。
メールはいつも、彼女の方から送られてきていた。
僕はそのメールに返事を返して、質問に答えるだけ・・・・。
そして、今日も夕方、ベッドに横になって漫画を読んでいると、携帯の着信音が部屋に鳴り響いた。
「ンッ?安奈かな?」
読んでいた漫画を開いたままベッドに伏せて置き、体を起こして机の上の携帯に手を伸ばした。
しかし、バランスを崩し、僕はそのまま頭から落ちた。床に頭を激しくぶつけ、コブが出来ていた。その頭を摩りながら立ち上がり、机の上の携帯を手に取った。
携帯には、安奈からのメールが届いていた。
この時間になると、毎日のようにメールが届いていた。
『やっと、サッカー部の練習が終わったよ。
でも、私の仕事はこれから(泣)
しょうがないよね。雑用がマネージャーの仕事なんだし(笑)
それじゃあ、頑張ってくるよ』
このメールを見ていると、彼女の大変さが何となく伝わってきた。
僕は椅子に座り、彼女に返事を返す事にした。
『頑張れ!マネージャー!』
と、返事を返した。




