第二十六通 眠気とメール
勉強会が終わり、健介と和彦が帰った後も、僕は机に向っていった。
その時、僕の机の上に置いていた携帯が激しく震えだした。
いつもは、家に帰ってきてすぐにマナーを解除するのだが、今日は健介と和彦がいたのでマナーを解除するのを忘れていた。携帯を開くと安奈からのメールが何通か届いていた。
そのメールを全て読み、先程届いたメールを読んだ。
『おーい。マサー。寝てるのかー?
起きてたら返事、返してね〜』
僕はすぐに返事を返す事にした。焦って何度も打ち間違いをしてしまい、何度も打ち直していた。
『ご、ごめん。もうすぐ中間テストがちかいからさ。
僕の家で勉強会してたんだ。だから、メール届いてるの気付かなかったんだ』
僕の謝罪メールにすぐに安奈からの返事が届いた。
『な〜んだ。そうだったの。
私こそごめんね。そんな事とは知らないで、何通もメール送って……。
もしかして、今も勉強中だった? だったらごめんね』
『別に、安奈が謝る事無いよ。
すぐに返事を返さなかった僕が悪いんだから』
と、僕は安奈に気にしない様にメールを送った。ノートにペンを走らせていると、また携帯が激しく震えた。もちろん、安奈からのメールだ。
『それじゃあ。私はマサの勉強の邪魔しないように、今日は静かに読書をしたいと思います。
と、言うわけで、今日の所はおやすみなさい。勉強頑張ってね』
このメールを見た瞬間、やる気がグッと湧いてきた気がした。
ノートにペンを走らせ、数学の数式を覚え(どれがどの数式かわからない)、歴史の暗記を行い(色んな年の出来事が、ゴチャゴチャになっている)、英語の英単語を覚えた(読み方が分からない)。
色んな事を頭に入れたせい? か、何だか急に眠くなった。
そして、いつの間にか僕は机にうつ伏せになって眠っていた。
僕が目を覚ましたのは、それから十分後だった。
机の上で携帯が激しく震えているのに気付いたからだ。とりあえず、携帯を見るとメールが届いていた。
『マサ! まだ、寝ちゃ駄目だよ。
しっかり、勉強して赤点から脱出だ。ガンバ』
僕が眠っているのが分かったのか、そんなメールが安奈から届いた。段々、安奈が僕の性格を理解してきたようだ。
僕は頬を両手で思いっきり叩き、眠気を吹き飛ばした。頬は赤く手の平の後が残っていた。
その後も、何度も眠気が襲ってきたが、そのたびに頬を真っ赤にして眠気を吹き飛ばしながら、テスト勉強を進めていったのだった。