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間違いメール  作者: 閃天
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第二十三通 幕を閉じた文化祭

校門前で楽しげに話す、安奈と和彦。

二人がどういう繋がりなのか気になった。

もしかすると、付き合っているとか――。

あり得るかもしれない。

学校一カッコいい和彦なら、安奈と付き合っていてもおかしくない。

そんな事を思っている僕に、和彦が笑いながら言った。


「俺と鈴木は同じ中学でさ」


「同じ中学……。そ、そうなんだ」


何だか、安心した。

ただ同じ中学で――。

同じ中学!? なら、なおさら付き合っている可能性があるじゃないか。

色々な事が脳裏を過り、物凄く不安になった。

その時、大勢の女子生徒の歓声が聞こえた。

多分、和彦に向けられた歓声だろう。


「ヤバッ! それじゃあ、俺はこれで」


右手を顔の横で軽く振って走り去っていった。

歓声と沢山の足音が、彼の後を追って行った。

嵐が去っていったかの様だった。


「やっぱり、和彦君はモテモテだね」


安奈はそう言って僕の方を見ながら微笑んだ。

僕もとっさに相槌を打った。


「そ、そうだね」


結局、安奈と和幸が付き合っているのか聞く事が出来なかった。

僕と安奈は屋台で買った焼きそばを食べていた。


「う〜ん。ちょっと味が薄いかな」


焼きそばをすすりながら、安奈はそう言った。

確かに味は薄く、正直あまり美味しくなかった。

こんな物でよくお金をとるな。

しかも、300円。

これなら、自分で作った方がまだましだ。


不味い焼きそばを食べ終えた、僕と安奈は口直しに生徒会の作る豚汁を食べに、中庭に移動した。

流石に沢山の客がいて、中々豚汁に辿り着く事が出来ないでいた。


「結構、行列だね」


「そうだね。どのくらい並ぶかな」


「時間かかりそうだね」


行列の先を見据えながら安奈はそう言った。

暫く並んでいたが、中々列は前に進まなかった。


「中々、進まないね」


「そうだね。豚汁は諦めようか?」


「う〜ん。そうね。折角だけど、今回は諦めようか」


僕と安奈が列から出たときだ。

背後から名前を呼ばれた。

その声で誰かは大体察しはついた。


「倉田君」


僕はゆっくりと振り返った瞬間、目と目が合った。

そこに居たのは、やはり美樹だった。

不思議そうな顔で安奈が僕の顔を見ている。

エプロン姿の美樹が、僕の方に歩み寄ってきた。


「豚汁を食べに来たんですか?」


「えぇ……。でも、列進まないんで、他に行こうかと……」


「そうですか……。残念です」


美樹はそう言ってチラッと安奈の方を見た。

ここはちゃんと紹介した方がいいだろう。

そう思い僕は、安奈を紹介する事にした。


「僕のメル友の鈴木 安奈」


「マサのメル友の鈴木 安奈です。よろしくね」


明るい声で安奈はそう言って美樹に微笑みかけた。

そして、安奈に美樹を紹介した。


「同じクラスの篠山 美樹」


「篠山 美樹です」


複雑そうな顔で美樹はお辞儀をした。

その後も、色々と話をしたがよく覚えてはいなかった。


「それじゃあ、私はまだやる事がありますから」


「頑張ってね」


お辞儀をした美樹に、安奈はそう言って胸の前で右手を軽く握りガッツポーズをした。

僕は彼女に微笑んで手を振った。

僕と安奈は色んな屋台を見て回った。

こうして、文化祭は幕を閉じた。

その後、僕は的当てをしていない事がバレ健介に殴られたのは言うまでも無かった。


今回、『間違いメール』が、総アクセス数で1000人を突破しました。

驚愕です。まさか、こんなにもアクセスしてくれてる人がいるなんて……。

嬉しい限りです。苦手だと思っていたジャンルで予想外のアクセス数。何だか、色々と舞い上がってます。

それから、評価の方をしてくださってありがとうございました。

これからも、ベタな恋愛にならない様、頑張って書いていくので、応援の方をよろしくお願いします。


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