表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
間違いメール  作者: 閃天
20/65

第二十通 文化祭の準備

 ――文化祭前日。

 一人寂しく教室に残っていた。

 外はすでに暗くなっていて、木の葉が宙を舞っている。

 漫画喫茶をやろうと、提案した言い出しっぺは、そそくさと帰てくし、こっちはいい迷惑だ。

 ただ、ジャンケンに負けただけなのに、こんな時間まで……。

 そんな事を思いながらも、一人作業を進めていく。

 作業と言っても、教室の飾り付けと漫画を並べるだけなのだが、一人だと全く進まない。

 始めの内は、何人もいたのだが、用事があるなど部活の出し物があるだので、結局僕一人になったのだ。

 折り紙の輪を繋げて、鎖状にしていると、ポケットの携帯が激しく震えた。

 メールだ。もちろん、安奈からの――。


『うう〜っ。今日は疲れたよ〜(泣)

 何で練習試合なんてあるのよ!

 でも、明日は休みだし、ゆっくり出来そう(笑)

 マサは、明日はどう過ごす?』


 作業を止めて僕はメールを打った。


『実は明日文化祭で、今日は一人で居残りです(泣)

 早く帰りたいよ〜(泣)』


『明日は文化祭なんだ。いいな♪

 でも、何で一人で居残りなの? 何か悪い事したの?』


と、すぐにメールが返信されてきた。

 そのメールを読んでいる時だった。

 別のメールが届いた。

 それは、美樹からだった。


『あ…あの……。教室の電気が点いているようですが……。

 まだ、文化祭の準備をしているのですか?』


 安奈に先に返事を返そうと思っていたが、早めに美樹に返事を返す事にした。


『まだ、飾り付けしてるよ。

 でも、もう少しで終ると思うから、明日はお互い頑張ろう(笑)

 生徒会の準備頑張れ』


 この様な内容で美樹に返信した後、安奈への返事を書いた。


『別に悪い事した訳じゃないよ(泣)

 ジャンケンに負けて、それで居残り……(泣)

 他にも残ってる人が居たけど、皆先に帰って結局一人……』


 作業を再開しようとした時、安奈からのメールが送られてきた。


『大変だね……(汗)

 それにしても、無責任なクラスだね(笑)

 明日は暇だし、マサの学校の文化祭見に行ってみようかな?』


 焦った。

 安奈が学校に来れば、クラスの皆に安奈とメル友と言う事がばれてしまうからだ。

 それに、健介に知られたら、どうなるか分からない。

 何としてでも、とめなくては……。

 そんな事を、思いつつも内心嬉しかった。

 安奈が文化祭に来てくれれば、一緒に色々と回れるからだ。

 色々悩んでいると、メールが届いた。

 それは美樹からのメールだ。

 安奈と違って、メールを打ち慣れていないのだろう。

 結構、返事を送るのが遅い。

 そんな美樹からの返事は、


『生徒会の方は、大分準備が済んだんで……。

 私もクラスの出し物の準備を、手伝いに行きますね』


 何て優しい人なんだろう。

 他の連中は、十分もしない内に帰っていったのに……。

 生徒会も忙しいのに、こっちの準備を手伝うなんて……。

 その後、美樹が教室にやってきて、飾り付けを手伝ってくれた。

 この時、僕はすっかり忘れていた。

 安奈への返事を返す事を……


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ