第十一通 夏休みの補習
メールが来なくなって何日もたった。
僕は自分からメールを送ろうとしたが、なかなか送れないでいた。
怖かったからだ。
彼女に嫌われていて、もうメールもしたくないと思われているんじゃないかと、そんな思いがあったためだ。
安奈からのメールが途絶えたため、僕は肩を落とし何度もため息を吐きながら学校へ向った。
もう夏休みだと言うのに、僕は補習のため学校に行き来している。
クラスでは僕の他にも、何人もの補習の生徒がいたが、真面目に受ける者は居ない。
教室の中は蒸し暑く、動かなくても汗が湧いて出てきた。
運動場からは、サッカー部の叫び声や野球部がバットでボールを打つ音が響き渡る。
もちろん、夏には欠かせない、とてもうるさいセミの鳴き声も響いている。
蒸し暑い教室には僕しかいなかった。担当の先生は何も言わずプリントだけを置いて、教室から出て行った。
補習は勝手にやってろという事だろう。何て嫌味な先生だ。
そう思っていたが、口に出せる訳も無く、僕はプリントの問題を解いていった。
一人で課題のプリントに向き合っていたが、安奈の事が気になって集中できなかった。
「あ〜! 駄目だ!!」
そんな事を叫びながら、頭をくしゃくしゃと掻き毟った。
他の人から見れば、ちょっと頭のおかしい人の様に見えているのだろう。
しかし、そんな事など全く気にならなかった。
「はぁ〜。……完璧、嫌われたかな……。」
さっきまで、叫んでいた僕だったが、急にしんみりとした。
安奈に嫌われたんじゃないかと思うと、急に元気が無くなった。
そして、机にうつ伏せになった。すると、涙がこみ上げてきた。
評価の方、ありがとうございました。
まだまだ、文章を書く力が無く読みにくいかも知れませんが、どうぞよろしくお願いします。




