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第七十八回 階段と記憶喪失

 階段の踊り場に男の人が倒れていた。私は慌てて抱き起こす。

「もしもし、大丈夫ですか」

 呼びかけると男は気を取り戻す。

「うむむ。俺は一体どうしていたんだ」

「あなたはココで気を失って、倒れていたんですよ。階段からでも転んだのかもしれませんね」

「どこのどなたかは存じませんが、ご面倒をおかけしました……ところで俺は誰なんだ。うう。何も思い出せない」

「もしかして記憶喪失ですか」

「そうらしい。どうやら階段で転んだ際に頭でも打ったのでしょう。タンコブができている」

「何かちょっとでも構わないから、思い出せることはありますか?」

「そうだ。俺は階段を登る途中だったんだ」

「じゃあ試しに階段を登ってみましょうよ。記憶を失う前と同じことをしていれば、何か思い出せるかもしれない」

「ですね」

 男は階段を一歩一歩と登ってゆく。

「いろいろと分かってきたぞ。俺は同じように階段を登っていて……この段で、こうやって足を踏み外したんだ」

「あ」

 途端、男は階段を二度三度とバウンドしながら、派手に転がり、頭から踊り場へ落下した。男は失神して倒れるが、やがて気を取り戻すと、体を起こし……

「俺は一体どうしていたんだ。いや、そもそも俺は誰なんだ。うう。何も思い出せない」

「またかよ」

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