表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/100

第七十二回 量より質と質より量

 とある町に仲の悪い兄弟がいました。その町にはレストランが一軒もありません。兄弟はふたりともコックだったので、町にレストランを開店することにしました。

 ところが兄弟は仲が悪い。どんな店を開くかで、意見が分かれてしまいました。


兄「ともかく量より質だ。多少は高価でも、美味いものを食べに客は来るんだよ!」

弟「それじゃあ来る客は金持ちに限られてしまうじゃないか。やっぱり質より量だよ。安く、たくさん食べられれば客は満足してくれるさ」


 結局、ふたりの意見が合うことはなく。兄弟は別々にレストランを作って、互いに競い合うことにしました。

 かくして二軒のレストランが町に開店します。


 最初のうち、兄の店は確かに金持ち客で溢れました。味の評判も上々です。

 しかし、ともかく量の少ない割に、値段が高すぎる。これでは店に通える客は限られてしまいます。

 結果、客足は段々と遠のいて行きました。


 一方、弟の店はお金のない客で溢れました。安くて、たらふく食えると評判も上々です。

 しかし、値段が安いのは構わないのだが、ともかく不味い。さすがに金がないからといっても、不味いのでは外食する意味がない。

 結果、客足は段々と遠のいて行きました。


 そこへ町に新しく開店した第三のレストラン。値段はソコソコ安いのに、値段以上の美味い料理が食べられる。

 あんな中途半端な店、きっと潰れるぞ。サービスし過ぎて、儲けなんて出るもんか。兄弟は笑いました。が結果は大繁盛。実は開店前に兄弟のレストランを調べ、ちょうど良い値段と味を決めていたからです。これが大当たり。

 とうとう兄弟たちのレストランは潰れてしまいました。兄弟はくやしがります。


兄「くそう、やっぱり質より量だったか」

弟「くそう、やっぱり量より質だったか」

津久ヶ原シャログくんからのお題リクエスト。三連発の一発目になります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ