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第五十三回 妹と氷
通学途中。アイツは溜息をついた。
「どうしたのよ、心底憂鬱そうに」
「いやさあ。隠していたエロ本を、妹のヤツがたまたま見つけちゃって。しかもマニアックなヤツ」
「あっ、こないだ俺が貸したヤツか」
「そうそう。全身ラバースーツ熟女モノ」
「すまん」
「いや今回は俺の失態だ。けど、おかげで態度が冷たくって冷たくって。もう空気が耐えられないよ」
「その程度、大したコトないだろ。妹なんてそんなもんだって」
「そうかなあ」
「ウチの妹なんて、顔を会わせる度に死ねっていったり。さもなくば、汚物を見るような視線を向けてくるか。たまに包丁を投げつけてきたりさあ。こないだなんて頭上から植木鉢を落として俺を殺そうとしたな。冷たいを通り越して、まさに鬼畜ド外道。冷え切った空気と返り血で、家の中はまさに大八寒紅蓮地獄だぞ」
……
「いや、お前ん家。何があったんだ!?」