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第十一回 予言と寿命
俺は未来を知ることができる。いわゆる、予知の超能力を持ったエスパーだ。
この超能力を使って俺は勝ち組な人生を送ってきた。競馬も株も、どうやれば勝てるのか、あらかじめ分かる。自分に降りかかる災難は、あらかじめ回避できる。まさしく全知全能だ。
ただしこの予知能力には、ひとつの制限があった。予知を一回行うごとに、寿命が三日減るのだ。思い出してみると俺も今まで、不用意に予知を使いすぎたかもしれない。最近になって、寿命の残りが不安になってきた。
ところが一回の予知ごとに寿命が三日減るとはいっても、そもそも俺の寿命がいつまでなのか、普通の人間には分かるわけがない。だが俺は予知能力を持っている。これからは予知も慎重に使おう。そう誓いながら、俺は自分の残り寿命を予知してみた。
なるほど、俺の寿命は残り三日か。
予知は一回ごとに寿命を三日削るから……すると……
死にました。
今回は二百字以内という縛りを加えて挑戦してみました。