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第一回 兵士とミルク
世界情勢は緊迫し、明日にでも大戦が起ころうという、この時。同盟を組んだふたつの軍事国家が秘密の会議を開いていた。
「この度は我らが編成した、補給部隊の新たなる運用法を紹介しようと思うのです。この部隊を運用することで我らの勝利は揺るがないものとなりましょうぞ」
「ほほう、頼もしい。詳細を聞かせてもらいますかな」
「その名も牛乳部隊!」
「えっ」
「戦地にあっても毎日の牛乳を欠かさず飲むことによって、兵は戦意昂揚! 健康増進! 必ずや我が軍を勝利へと導いてくれるものと信じております」
「いやいやいや、無理があるでしょ」
「左様、解決すべき問題はいくつかあります。その中でも最大のものは、いかに戦場で牛を育てるかにありましてな。これには補給とは別に、畜産農家から成る部隊を編成せねばなりません」
「いや、お前らナニ考えてんだ」
「引いては金銭的な支援をお願いしたいのですが……」
「もうやだこの同盟国」