飛ぶ魚
掲載日:2026/11/07
夕焼けを抱いて眠る日としよう
ジリジリとして
波打つ熱が教えてくれた不思議を知りたい
夜が全部とかしてくれる場所までダイビング
あの頃のトロッコから見た紅葉が鮮やかに灯る
桃色の橋の絵が描かれた五目うどんの蒲鉾は特別
出汁はやっぱり透き通っていてほしい
打ち立ての白さに舌つづみして
紅葉を乗せたお餅のようにいただきたい
真っ白な紙の切れ端に描く飛ぶサカナ
紙吹雪に似た鱗雲の行方を目で追う
日没のビルとビルの合間の空にムクドリの群れ
優雅なカーブを描きながら飛んで
やがて街公園のクスノキに吸い込まれていった
夕焼けを抱いて眠る日としよう
止まり木と一葉を必要としている一羽として
明日からもまた
この胸の波打つ不思議を知ってゆきたいから




