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ローゼンタールへの旅
この世界は確かに魔物が現れるらしいが、町は平和そのものだった。
人々は王都セルヴァリアのアレクサンドロス1世陛下の話を尊敬を込めて語る。
最大都市のローゼンタールは商業の中心地だった。ロイとセシルに連れられて、ルミは初めてこの大都市を訪れた。
ローゼンタールは、想像した以上に活気にあふれていた。魔法のランタンが空中に浮かび、通りには様々な種族が行き交う。
市場では異国の香辛料が香り、魔法道具店では光る水晶が並び、アクセサリーショップでは精霊の祝福を受けた宝飾品が輝いていた。魔法ショップでは、様々な色に輝くポーションや、古代文字が刻まれた魔法書が売られていた。
「すごい……」ルミは目を輝かせた。
セシルは、街の中心にそびえる白亜の塔を指さした。「ルミ、あなたには才能がある。ローゼンタール魔法学院であれば、もっと学べる。考えてみない?」
ルミは複雑な思いだった。魔法学院——それは夢のような場所だった。しかし、彼女にはもう一つの人生があった。主婦としての生活、家族との日常。
「ありがとう、セシルおばさん。でも……まだ決心がつきません」




