【BL】俺の好きな人はクラスの男子です。
俺には、好きな人がいる。
先に言っておくと、俺の恋愛対象は男である。
「はぁ、やっぱりカッコいい…」
俺は、そいつのことを遠目で見ている。
それだけで、満足だった…なのに…
相手と目が合ってしまった。
そいつは、俺の元に近づいてこう言ったんだ。
「君、ここ最近俺のこと見てるよね?何か用?」
そう言ってきたんだ。
「別に、用があるわけじゃ…」
そう言いながら、俺は立ち去った。
確かに俺は男好きだけど、付き合いたいわけじゃない。
でも…付き合えたら、変わるのかな…
そんなことを思ってたらあいつが話しかけて来たんだ。
「君、名前は?」
「へ?」
「名前、教えて?」
「ええっと、佐島…夕夜…」
「夕夜ね!俺の名前は、猿渡洸平!」
「さるわたり…?」
「よく、間違われるけどさわたりって読むから!」
「さわたり…」
「ね、そんなに俺のこと毎回見るってことは俺のこと好きなんだよね?」
「えっ」
「俺と、付き合わない?俺、夕夜のこと気になってる…からさ」
「付き合うとか…そういうのはちょっと…」
「じゃあ、俺のこと好きにさせてみせるから!」
「ええっ」
「だから、待っててね!」
そう言われてから数日…
猿渡は、なにかと俺に話しかけてくる様になってきた。
「夕夜!俺と付き合って!」
「無理!」
何回も何回も、俺に告白をして来るうちに俺も猿渡のことが気になってきてしまっていた。
「夕夜!俺と…」
「付き合うよ」
「え?」
「…付き合うって言ってんの!」
「本当!?」
「うん」
「それに…本当は猿渡のこと好きだし…」
「え!?」
「自分の中の正義を貫きたかったからそう言ってただけで、本当は猿渡のこと…洸平のこと好きだから。」
「嬉しい!」
そう言って、洸平は俺のことを抱きしめた。
「たっくさん、デートしようね!」
「うん…」
好きなやつと付き合えた。
それだけで、俺はめちゃくちゃ幸せだった。
何より、両想いだったことが嬉しかった。
「俺も、洸平と付き合えて嬉しいよ。」
「え、何かいった?」
「何でもない!」
幸せな時間を過ごすことが出来た2人であった。