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あなたに感謝していたいの  作者: 遠藤 敦子
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 私もギターを弾けるようになりたいと思い、水谷くんにお願いしてギターを触らせてもらう。家でも練習したいと思ったので、おすすめのYouTubeも教えてもらった。YouTubeのURLを送ってもらうという約束で、LINEも交換する。


 大阪にいた頃、男に貢ぐためかお母さんに口座からお金をちょろまかされたこともあった。しかしちょろまかされたことをきっかけに暗証番号を変え、単発アルバイトで5万円稼いだ分がまだ口座に残っている。それとおばあちゃんからのお小遣いも貯め、自分用のピンクのギターを購入した。

「じゃーん! ついにマイギター買っちゃいましたー!」

 私は翌日、マイギターを持って屋上にいる水谷くんに報告する。

「ギターって結構高いぞ……?」

驚く彼に、

「バイト代とお小遣い貯めて買ったの。パパ活とかじゃないからね?」

と私は言った。それから水谷くんにギターの弾き方を教えてもらい、一層仲良くなる。許可を得て、呼び方も水谷くんから侑也に変えた。



 その頃、私はクラスメイトの飯村真白(いいむらましろ)岸本和希(きしもとかずき)とも仲良くなった。最初は3人でお弁当を食べていたけれど、次は侑也も誘おうかという話になり、侑也も入れて4人で食べるようになる。晴れの日は屋上で私と侑也による弾き語りもした。それからは4人で行動するようになり、ふるさわ菓子店でクリスマスパーティーしようという話になる。


 クリスマスパーティー当日、真白ちゃんと侑也と岸本くんがふるさわ菓子店に来てくれた。おばあちゃんが

「あら〜歌乃のお友達? いらっしゃい。来てくれてありがとう」

と出迎えると、真白ちゃんが開口一番に

「こんにちは! 歌乃ちゃんの友達の飯村真白です」

と挨拶する。それから岸本くんも

「岸本和希です。お世話になります。よろしくお願いします」

と挨拶し、最後に侑也が

「水谷侑也です。僕は歌乃さんの隣の席の者です」

と挨拶した。おばあちゃんは侑也を知っているのか、

「もしかしてあの侑也くん? ずいぶん大きくなったねえ。俳優さんみたいになって」

と言う。驚いた真白ちゃんが侑也に

「侑也って歌乃ちゃんのおばあちゃんと知り合いだったの?」

と訊くと、侑也は詳しくはまた後で言うわと返していた。

 みんなでおばあちゃんの手料理を食べる。ケーキはふるさわ菓子店の余った物だ。話の流れで、侑也が

「俺が小学生の時、背中に変な貼り紙貼られるいじめに遭ってて。気づいて励ましてくれたのがミドリおばちゃんなんだ」

と、おばあちゃんと知り合ったきっかけについて話す。すると誰もが驚いた。もちろん「ミドリおばちゃん」の孫である私もだ。

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