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事件ファイル4 10月5日(水)拉致

 実力考査が終わった次の日の放課後、久しぶりに科学部に行くかなと考えながら教室で掃除当番をこなし、箒を片付け荷物をまとめていると、


「きっさらぎ〜!!!たいへんなんだ〜!!!」


イケボな叫びとともに細田が血相を変えて現われた。細田の登場に周辺の女子がいろめき視線が集まる。それが煩わしく


「これから、科学部に行く所だ。細田もか?詳細は部室で聴こう。」


と答えて細田を見遣ると何やら紙を握りしめ、息を切らし涙目に鼻水まで、ありゃとポケットティッシュを探していると、細田が泣き声で告げてきた。


「雛ちゃんが誘拐された!」


なんだと!絶句した。信じられず、理科室3の隣の生物準備室を目指して走り出すと、併走しながら細田が、


「さっき、バスケ部の前に会いに行ったら、鳥籠ごと無くて、先生もいなくて、別の部屋に置かれたのかなって思ったんだけど、籠を置いてた辺りにこんな紙が」


細田が鼻水をすすりながら握りしめていた紙を伸ばしながら渡してきた。それでティッシュの存在を思い出して細田に渡しながら紙を開く。もちろん早足で生物準備室を目指しながらだ。


「インコは預かった。返して欲しければ、10月5日17時体育館脇ゴミ集積所に部長1人で来い。教員には頼るな。告げ口した場合はインコの命は保証しない。」


生物準備室に行くと、確かに雛ちゃんの姿はなく、今日はこの部屋の主である坂本先生は出張中であった。鍵は閉まっており、細田はスペアキーで開けたとのことだった。


「今、何時だ?」


「16時だよ!」


「あと、1時間か。細田、幸太朗と間中を探して数学班に集まるぞ!」


籠ごと運ばれる際、手荒だったのか、見慣れない奴で雛ちゃんが抵抗したのか、何枚か羽根が落ちていた。それが痛ましかった。












ネトコン発表前に願掛け。

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