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5/28(金)雛ちゃんアミラーゼ

 朝、理科室3の隣の生物科準備室から漏れ聞こえる無駄なイケボとインコの会話でげんなりしてしまう。


「雛ちゃん、あれから大丈夫だったかい?元気かい?」


「ヒナチャン、ゲンキ」


「雛ちゃん圭吾好き?」


「ヒナチャンケイゴスキ」 


「大好き?」


「ダイスキ」


「早く一緒に暮らそうね。圭吾頑張るから」


「ケイゴガンバル」


「如月みたいになっちゃだめだよ。雛ちゃんは清らかなままでいてね。」


「キサラギ、ヒナチャン、ママ」  


「違うよ、雛ちゃんどうしちゃったの?」


「キサラギ、ママ、」


「違うよ雛ちゃん、落ち着いて。圭吾は雛ちゃんの彼氏ね。」


「ケイゴカレシチガウヨ」


「雛ちゃん!」号泣。


 いや、もう、入りづらい。打ち合わせをしないといかんのだが。罪作りなセキセイインコだ。とりあえず恋人?との逢瀬の邪魔にノックは必須アイテムだ。


 コツコツ


「あー取り込み中の所済まないが、打ち合わせが。」


 イケメン細田が涙目で睨んでくるがスルーして質問紙を渡した。


「概要は昨日SNSで説明した通りだ。」


「分かった。雛ちゃんに変な事教えてないよな?」


「いや、無実だ。ただ、少し坂本先生がかってるのは許してくれ。居場所が準備室だからな。私のせいではない。」


 坂本先生は生物の先生だ。


「坂本先生?どの辺が?」


「あー時々、酵素の歌を歌ってる。」


「アミアミアミアミアミラーゼ、ぺぺぺペペぺロンチーノジャナクテペプチンネ、パリパリリパーゼマルチャンマルマルマルターゼ♫」


 ありがとう。ありがとう。雛ちゃん。(泣)

 バタンと地面に手をつき大袈裟に落ち込むイケメンを引き起こしていると咳払いが聞こえた。


「ゴホッゴホン、えーと部長、副部長もう、吹奏楽部の子が来ますので配置について頂きたく」


 青ざめた顔の間中が立っていた。何か誤解を生んだようだがこうしてはいられない。


「細田よろしく頼むぞ。数学班の危機は科学部部費の危機。それはすなわち雛ちゃんの危機だ。」


「分かってる。雛ちゃんまたね。」


 雛ちゃんにウィンクをした細田と一緒に

 理科室1へ急いだ。


当作品はフィクションであります。お手柔らかに。

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