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心当たりは幸太朗??

「今までもこういった手紙を頂いたことがありますか?」


と聞くと、


「こんな手紙は初めてで。関係あるかは分からないけど、物がここ最近無くなった事があって。今それも含めて怖くなっちゃったんです。」



森田さんは顔を曇らせた。昨日の剣山を突きつけてきた強さは今日は無い。


「いつ頃、何が盗まれたんですか?」


「六月末に学校で、通学用自転車のカゴからレインコートが無くなって。それ以来自転車のカゴには何も残さないように気をつけていてました。そうしたら、1週間前に自転車のサドルが、下校しようとしたら無くて、辺りも探してみたけど見当たらなくて。」


「日にちとか詳しく分かりますか?」


「家に帰れば分かります。日記に書きましたから。」


「犯人の心当たりありますか?声をかけられたとか?」


「佐田さんぐらいしか。」


幸太朗!!!


「あっ、ごめんなさい。実は何度か花壇に座り込んでる佐田さんを見かけた事があって。怪しいなって。何が目的なんだろうって思ってました。私が近寄ると慌てて逃げるし、私の作品にドクダミさしたっていうし。私の気でもひきたいのかと勝手に思ってました。」


そうだったのか。幸太朗。


「怪しさ満点でしたね。」


と相槌を打って先を促した。


「実際は話す勇気もなくて細田さんを寄越したのかなって。犯人が佐田さんなら怖くないからビシッと成敗してやろうと思って剣山投げを提案したんです。でも、違うならなんか急に気持ち悪くて誰か分からないというのも怖くなってきました。」


「とりあえず、森田さん、下駄箱、どこか別の空いている所に移った方が良いと思いますよ。そしてよろしければ、科学部の方で森田さんのもとの下駄箱、監視カメラ付けさせて下さい。それから、自転車通学ですかね?」


「自転車屋さんに行ったら、同じサドルは取り寄せしないと無いって言われたので、届くまでバス通学してました。もうすぐ手に入るかと思いますが、もしかして、自転車危ないですか?」


「脅すわけではありませんが、単なる愉快犯とかゆきずりの犯行で無かったら、次どんな細工をしてくるか分かりません。自転車に何かされたら危ないです。気をつけて下さい。」


「お願いします!いろいろ助けて下さい!」


そこでバタンと勢いよくドアが開いた。


「こっ、ここにいらしたんですか!森田さん!き、きちんと交渉を、しないと、」


息を切らした間中だった。


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