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サイコパス

「そっかー。そっかー。あれ?盗聴器どこ行った?立ち聞き?」


「細田、盗聴器の件は内緒だ。付けるのも外すのも、聴いてるのも全部大変だったが、何より科学部のイメージが悪くなる。吹奏楽部には蟹江先輩に侵入の仕方を教えてもらいに行って、たまたま立ち聞きしてしまったテイを装っておる。」


「誰が仕掛けたんだ?」


わたくしです。生徒会の信用がありますからね、そこを使って入り込んで、まあ、はい。吹奏楽部と音楽の授業、先生、全ての隙を縫うのは大変でしたがね。」


間中がさらっと口を挟んだ。手柄は自慢したいらしい。


「そっかーそっかー。」


 ようやく満たされたのか細田はうんうんうなづいていた。ただ満たされてないのがいた。


「佐田は、ただの木原のごめん一言で許したのか?自分がやったくせにお前を犯人にして、かなり嫌な思いしただろう?」


 安積さんが幸太朗に尋ねた。


 亀と鹿の間に挟まって話を聞いていた幸太朗は安積さんに顔を向けると私の方をちらっとみやった。


「如月が釘さしてくれたから。」


 そう言ってニコッと笑った。


「釘?どんな?」


 安積さんと幸太朗、満腹になったはずの細田が復活してるじゃないか。頭痛がしてきておでこに手をやって黙ってると、間中が、


「あーこの人、スマホ画面を木原さんに向けて『木原さん、佐田に悪戯するとこんな報復されそうだとは想像しなかったんですか?以降お気をつけ下さいね。』って言ったんだよ。そしたら木原さん青い顔して何度もごめんなさいって呟いてました。部長、どんな画面だったんです?」


「幸太朗からもらった写真だ。幸太朗に見せてもらえ。」


 生き生きとした顔になった幸太朗は自分のスマホを起動させ、写真を共有させてきた。


 理科室2に男3人の悲鳴が響き渡った。


 そうそう、吹奏楽部の連中は勘違いをしていたな。私の犬は間中じゃない。サイコパスの方だ。番犬にもなるが、時には飼い主が守らなくてはの。


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