数学班に細田乗り込む6/7(月)
数学班は平常運転だ。幸太朗の剣道部出禁が解除され、幸太朗はそちらに出ているようだ。静かな理科室2は大変居心地がよく、お茶も美味しく、
「如月ー!」
バタンとドアが勢いよく開けられ、思わず、水筒のコップを落としそうになった。ゆるりと振り返ると、イケボの持ち主細田が血相変えてバスケ部の練習着なのか半袖短パンで汗を垂らしながら立っていた。
「俺、何も聞いてない!なんで面談頑張った俺が、犯人が自首したとか吹奏楽部がコンクール不出場の処分くらったとかイジメ、パワハラが横行してたから体制を変えるとか山岡先生以外に常勤講師雇ったとかを噂で聞かなきゃならんの?」
ゼーハーと息を荒くしてるし、イケメンが青筋たててる。
「あ、お怒り?てかなんで細田知らんの?」
とりあえず声をかけると
「あー細田さん、バスケ部に励んでましたからー、」
間中が騒ぎを聞きつけたのか、白衣を着て現れた。今日は実験でもしているのだろう。
「間中っ、てめー報告しろよ、同じクラスだろーが!」
細田が間中へも怒りをぶつけた。イケボも音量がでかいとお腹いっぱいだ。
「まあ、細田が知りたいなら、心ゆくまで説明するから。今、時間はよいのかの?」
なだめると、
「あー、ランニングの途中で抜けてきたんだよ!如月、17時まで残れよ、俺早めに抜けてくるから、あー気になって仕方ない!あー」
細田は髪の毛をがしがしとかきまわしながら走って消えた。あんな忙しない男だったとは。




