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校長室6/3(木)

 A1高校の校長は昨今流行りの民間企業出身で、なかなかのグローバルな視点の持ち主だとか。今、彼は校長室の立派なデスクにて私の出した報告書に目を通していた。私と幸太朗(ついてくると言って聞かなかった。)と生徒会長の松下、吹奏楽部顧問の山岡先生はソファに座っての判決待ちだ。


「この報告書によると今回の騒ぎは、吹奏楽部の2年生全員による自作自演だと。山岡先生、確認はとりましたか?」


校長は老眼鏡(オシャレと丈夫さで有名なアレだ。拡大鏡というのが正しいのか、リーディンググラスでしょうかねぇ)を外して吹奏楽部顧問の方を見た。山岡先生はかしこまって


「その通りです。私の指導が行き届かず申し訳ありませんでした。」


と立ち上がって頭を下げた。


「ま、座りなさい。それよりもこの動機の部分が問題です。本当なら、なんらかの処分、措置が必要です。」


「そ、それは私の指導力不足でして、これから徹底しますので。」


校長はそこで、私の方を向いた。


「顧問はこう言っておりますが、如月さんはどう思われますか?あと、約束でしたね。如月さんが犯人を1週間で挙げたら要求を聞くという。」


無理な要求を呑むにあたって契約書を作ったら校長は嬉しそうにハンコをついてくれたっけ。これは生徒会には内緒でやった事だから会長の松下の奴びっくりしてやがる。


「はい。まず、この事件は学校内にかなり噂が広まり、さらに保護者、世間へとおヒレがついて広まりはじめています。賢明な判断をお願いします。ついては犯人によって濡れ衣を着せられたこちらの佐田の名誉の回復と退部者達の恨みによる犯行と言う噂を消して下さい。また科学部が介入した事は内密にして頂きたくお願い申しあげます。これらの要求ついてはこちらに記載しておきました。」


新たな紙を校長に差し出して頭を下げた。


「よろしくお願いします。それが出来なければ契約書をもとに、私にも考えがあります。」


校長はうなづいて、リーディンググラスを再び掛け要求書に目を通して顎をさすった。そして山岡先生をみやると、


「公表と吹奏楽部員への処分は免れないだろうね。山岡先生。」


と下を向いたままの彼女に裁きを下した。



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