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田村 奈津

 2年生の事情聴取も残り2人となった17時過ぎに現れたのがパーカスのリーダーの田村奈津、縮毛矯正をしたと一目瞭然のペタッとしたボブヘアで色白の小柄な女子だった。


「田村奈津さんですね、どうぞお座り下さい。2組の細田です。」


と細田が着席を促すと田村はちょこんと座り込んで返事もせずに細田を眺めた。


「奈津さんは事件のあった日は何時に登校しましたか?」


 放課後から1人5分程度で済まさないと帰りが遅くなると計算した細田は名前云々のくだりをすっぽかしてすぐに下の名前で呼びかけ必要な情報を答えてもらう方法に切り替えたようだ。


 それにしても田村奈津は目に見えておどおどしていた。視線は彷徨いスカートを握りしめて座り細田が2回質問を繰り返さないと答えられない様子が続いた。


「そう言えば、パーカスには先輩から受け継いだものがあると聞きましたが」


との細田の質問にとうとう彼女は目を閉じて顔を手で覆ってしまった。細田は具体的に聞き返した。


「マミュマミュ様はパーカスの先輩が置いて行ったものだから、パーカスの被害になるという話ですよね?」


すると彼女は手を顔から外して細田に向き直り、


「マミュマミュ様には大変な事を。きっとパーカスに災いが。お守りできなくて申し訳なく思ってます。」


そう答えた。まるでマミュマミュを思い出してショックを受けた。そんな感じだった。そして急に立ち上がると、


「私から聞くことはもう無いですよね。失礼します。」


お辞儀をして帰って行ってしまった。ずっと挙動不審だった。準備室がバレないように行動している細田からSNSが届いた。


『あれで、大丈夫?登校時間とティンパニのネジとマミュマミュへのお詫びしか聞けてないよ?』


『大丈夫だ。調べて何か出てきたら、再度呼ぶから。細田は普通にこなしてくれ』


『オッケー』


やはり事情聴取はなにやら炙り出してくれそうだった。






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