執筆お休み中閑話 ※小ネタバレ。一章終盤には開示予定の情報。読まなくてもなんの問題もありません。
忘れ去られるのが怖いので、急遽出張先で執筆。意外と書けるもんですね。
白と黒が混ざり合うが極彩色に溢れた神妙で厳かな空間、そこは神域だ。時はアイラを送り出した頃まで遡る。
ここには三柱の神がいる。便宜上彼女達、とは言うものの彼らは生命を逸脱してるので、外見は趣味である。
まず人柱目はオレンジの髪に黒のメッシュと白のメッシュが入っている。服は普通の巫女服だ。彼女は太陽神。十二柱の人柱であり、思考を分割した中の本体である。アマトナだ。
「さて。白のお母様、それから黒のお母様も。分かっていますか? わたくしのこの気持ち」
もう二柱目は全てが色が抜け落ちたと言えるほど白だった。白い髪に、白い目。透き通るかのような肌。しかし、燦然と光り輝く恒星のように力強い力を感じる。ストライアと呼ばれている。
「ええ、太陽の子。よくやってくれましたとも。白の金平糖をあげます」
最後の三柱目はストライアとは真逆に、全てを飲み込みそうなほど黒かった。黒い髪に黒い目。肌だけは彼女の趣味で普通の肌だが、本来は夜空のような黒である。彼女はサートラハク。
「うん。まぁよくやったんじゃない? あ、私があげちゃうと軒並み消えるね。なんにも上げれないや」
自由なストライアとサートラハクに、アマトナは金平糖を口に頬張りながら愚痴をこぼす。
「わたくし、アイラちゃんに嫌われないかしら。理由があるからめ仕方ないとはいえ彼女って眠るの好きでしたよね。あーやだやだ。そのうち殴りに来たりして」
首を振って中に浮きヤダヤダと体を振るう太陽神。身長は子供程なので様になっているのが面白いところだ。
「あらあら、嫌われる前から嫌われる心配? 多分嫌われるから安心しなさい」
「そうだなー。私も一回嫌われたけど、それはもうショックだった」
二柱の発言にピタリと体の動きを停めたアマトナ。
「何も安心はできません! あの子に嫌われたらわたくしの頑張りはなんだったんですか!? え、どうしたら許してくれるですか?」
アワアワと動く様は何か物を壊してしまった子供で、神の威厳もない。この神域は、神が神であることを忘れられる唯一の場だ。そうもなるのだろう。
「んー。太陽の香りがする枕でも用意しといたらどう? きっと喜ぶわよ」
「私の時は銀時計のレプリカを渡したなー。私じゃ時間を付与できなかったわ」
「太陽の香りがする枕はともかく、わたくしから時計を渡すのはなんか違くありません?」
アイラの動向を注視しつつも、神の雑談は続く。それは瞬く星のようでいて恒久なる星のようにすぎる事だろう。
ありがとうございました。
下の星、欲しいな。あとブックマークと、感想も欲しいな。
神々は自由なるもの、されど人の世に縛られるもの。