ぴちょり姫とまり子さん(呪いの子願望少女)
ぴちょり姫シリーズです。なんかこの頃童話というよりライトノベルに近くなってます。ぴちょり姫が小学生の女の子というより妖艶さが際立ってきたような??気のせいだよね?それではよろしくお願いします。
2018年夏休みの雨の日である。少年カイトは小学校に行ってみた。妖怪と名乗る少女に会いにこないだは少女を置いて逃げてしまった。男子としてふがいないことをした。とりあえず、お詫びの品としてお小遣いで買えたチロムチョコ10個を持って。あの子チョコレートの香りがしたからチョコレート好きだろうなと安直に考えて雨の日昼間少し薄暗い中学校にやってきた。
薄暗い中学校の廊下を歩くカイトは少女を捜した。でもなかなか見つからない。あれ?やっぱり前まで下駄箱付近で会ってたから校内にはいないのかな?そうしている内に自分のクラスまで着いた。校舎2階の一番奥だ。廊下から教室の中を見てもまあ、いるわけないか?一年下のクラスも見てみるかと隣の教室を見たら。え、誰かいる?あのこか?いやあの子より髪の毛が長い、長すぎるだろ床まで付いてるよ。それに服が白い。真っ白なワンピースに長くて床まで付く髪、額も髪で隠れている。まるで呪いのビデオの娘みたいだ。と廊下から見ていると、
「あの子あなたの隣のクラスのイケメン君が好きみたいよ!!」
「ちょっ!!いつの間に!!」
今まで捜していた妖怪ぴちょり姫が隣にいた。
「かくれてよく見なさい。あの子やるわよ!!」
(えっ!!何を……!!)
ぴちょり姫の濡れてる少女と隠れて廊下からみるカイト。教室の髪の長い女の子は机のある椅子に座りゴソゴソする。そしてたて笛を取り出した。
(そうよ!!やっちゃえーー!!いっちゃえーー!!)
(え、何を??)
どうやら隣のクラスのイケメン君のたて笛を取り出したようだ。少女はまじまじとたて笛を見る。ぴちょり姫は祈るかのように応援してる。俺は何を見せられているのだ。そして数分たて笛を見つめた後ゴソゴソと机に返した。
(ハァ、今日もダメだったかぁ。)
(だから、何なんだよ、話が見えない。)
なんとかぴちょり姫に会えたカイト。出鼻くじかれたが帰りの廊下ぴちょり姫にありがとうを言えた。
「まあ、学校怪談のあるあるかな?テケテケは。」
「あの青いトカゲ、テケテケっていうのか?」
「あとさっきの女の子はまり子さんっていうの。」
「まり子かぁ。何の妖怪?幽霊なのか?」
「昔流行った呪いのビデオの女の子願望のある娘が妖怪化したの。でも当のの本人は別の所で生きてるらしいよ。生霊ってやつよ。」
「なんか複雑だな。それになんかお前キャラ変わってないか?」
学校の下駄箱、雨が降っている。チロムチョコも渡せた。帰ろうとしたら廊下の柱から視線を感じた。
「おい!!何かいるぞっ!!」
「えっなに!!」
柱から黒髪の長い、白いワンピースの少女が下から覗くような顔でこっちを見ていた。恐ろしい顔をしながらか細い声で叫ぶ!!
「祝ってやる~~。」
…………
「え??祝うの??」
驚くカイト、腹を抱えて笑う髪の濡れたぴちょり姫、なんだか最近のスマホスタンプの名セリフらしい。小学生のカイトには分からなかった。
「じゃね!!また会えるよ!!」
「あまり会いたくないけど……。まあありがとな。」
帰るカイト。見送るぴちょり姫。見送った後、
「まあ、笑えたからいいけど、今雨よ。私の方が有利だからね。分かってる?ヒトの男に手を出したらどうなるか?」
廊下の柱にいたまり子さんに振り返るぬれたぴちょり姫。まり子さんは怯えていた。
雨の中傘を差し帰るカイト。あれ?ポケットの中がふくらんでる。チロムチョコは全部あげたのになあ。手を突っ込んでみると飴玉が入っていた。しかもチョコ味。またやられたな。この腐れ縁長く続きそうだ!
おしまい