雪だるまの願い
私は猫のイブ。
イブという名前が大好きなの!
だってこの名前は私にとって世界一大切で大好きな女の子がつけてくれたから。
その女の子が私を拾ってくれたから私は生きてこれた。
女の子が私を拾ってからもう1年もたった……時間がすぎるのって早いな……。
冷たいものが頬にあたったので空を見ていると吸い込まれそうな青い夜空の中キラキラと星のように光っている雪がふってきた。
こんなに綺麗な雪をみたらきっと女の子も喜んでくれる!
早く女の子に伝えてあげたい笑った顔がみたい。
急いで家の中にいる女の子の所に行こうとした時の事だった……。
体が動かない?なんで?私の体が……雪になってるの?
あっそういうことなんだ。
全部思い出した。
私は……1年前の今日……クリスマスイブの日に女の子に作られた雪だるまなんだ……。
嬉しそうに笑いながら私のことを作って、話しかけてくれる女の子がいたの。
ずっと…ずっと一緒に過ごしたいと思った。
もちろん雪だるまの私に話すことなんて出来なかった。
叶わないと分かっていただけど…願うことにしたの。
叶うかもしれないと心から信じて。
女の子はかわいい黒猫が欲しいって話してたな……。
お願いします。
少しでいいんですから……猫になって女の子と一緒に遊びたいです。
そしていつの間にか猫になっていた。
雪だるまだった時の記憶はない状態で女の子に拾われたんだ。
そっか1年も女の子のそばに居させてもらえたんだ。
雪だるまは朝が来て太陽が当たるととけていって消えてしまう。
もうすぐ朝日があがるね。
楽しかったな。幸せだったな。
でもね怖いよ。嫌だよ。
ずっと女の子のそばにいたいよ。
消えたくない。
忘れられたくない。
これからも……。
「君は消えたりしないよ……」
そんな声が聞こえた気がした。
次の日イブがいなくなったことに気づいた女の子は泣いていた。
その夜女の子はお願いした。
「イブとずっと一緒にいたい……家族になりたい……」
月日がたち、いろんな草花が芽をだしたころ。
女の子はお母さんにある一言を言われました。
「かわいい妹が増えることになったわよ」




