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さっそく……

ちょっと短め……。

ただいま慎重にストーリー進行をしています。

こういう推理物って簡単な事件でも作り方次第でグダグダになっちゃいますので……。


そして、こっちを長いこと放置してしまい、すみません(-_-;)

 

 結局、あれから組まなく探したけど、それ以上手がかりになりそうな物は残っていなかった。

 少し気を落としたわタし達だったけど、とりあえず手に入れた一つの手がかりを布袋に収めて、次の調べものをするために、病棟へ馬車を急がせる。

 何をしに行くのかって?

 今回の事件で被害にあったネルお婆ちゃんの証言を貰うのと怪我の容態を見に行くの。

 本当は最初にこっちを当たった方が良かったのかもしれないけど……。


「……」


「ご主人様、どうしたにゃす? さっきから浮かない顔にゃすよ?」


「え、う、うん……」


「何かこれからネルさんに会うことが嫌な理由でもあるにゃすか?」


「そうじゃないの、エペラー……」


 会うのが嫌なわけじゃない。

 ただ、わタしは……。


「エペラー、事件当日の天気、覚えてる?」


「事件当日って確か……曇りだったにゃすねぇ」


「でも、その後、雨が降ったでしょ?」


「雨……あ!」


 どうやらエペラーも気づいたみたいだ。

 この街の住人は、雨に濡れるということをしないように生きている。

 雨粒を身体に受けるということは、穢れを浴びることと同意義だから。

 それ故にこの街の住人は、少しでも雲行きが怪しくなってくれば、店は瞬く間に畳んでしまうし、よほどのことがなければ外に出てくることもない。


「犯人は恐らく、それもわかった上で魔力の火を放ったんだと思うの……」


「なるほど、確かにそれでいて人気のない夜での出来事……計画的な犯行にゃすね……」


「うん……」


 私は、貴重な手がかりが入った布袋をぎゅっと握り締める。

 それは怒りの表れでもあり、不安でもあった。

 きっと、私が推論で考えているだけであって、本当なら何かを見た人はいたかもしれない。

 けど、ウィズちゃんの名前を出したら、あっけなく話すことを拒否されてしまうと思う。

 それくらいにあの子と関係がある話は、この街で嫌われている。

 だからこそよけいにネルお婆ちゃんの証言はとても貴重になる。

 もし、そこで何も知らないと言われてしまったら……。


 いやいや、何を考えているの、わタし。


 きっと何かを掴めるキッカケはあるはず。


「お嬢様、もうそろそろ到着です……降りるご準備を」


「うん、ここから走っていくから大丈夫!」


「えっ!?」


「にゃすっ!?」


 わタしは、戸を開いてまだ揺れる馬車から飛び降りた。


「お、お嬢様、お戻りを!」


 執事、服が汚れちゃうのを心配してるのかな。


「もう灰でいっぱい汚れちゃったもーん、同じ同じ!」


「ま、待ってくれにゃす、ご主人様ぁ!」


 デュエルと同じことだ。

 マスティマお姉ちゃんの最後の勝ち筋をよく思い出せばいい。

 もしこれで探りようがなくなったなら、今度は見つけにこうやって走るだけ。

 諦めなければ、きっと何もかも掴むことが出来るの。

 それをわタしは、みんなから学んだから。









 そうしてトテトテと駆けていくこと十分ちょっと。


「とうちゃ~っく!」


 わタしは、勢いよく一つの建物の前で止まった。


「にゃす!? ぎにゃにゃにゃ~ぶにゃっ」


 そして、エペラーはわタしの足元にぶつかって静止した。


「ご主人様、急に止まらないでほしいにゃす」


「えへへ、ごめんごめんエペラー、お鼻赤いけど大丈夫?」


「全然大丈夫じゃないにゃす!」


 わタしは辺りをキョロキョロと見回す。


「ど、どうしたにゃす?」


 よく見たら、止まった場所にあった建物は全然違う。


「ねぇ、エペラー」


「にゃ、にゃ?」


 わタしは少々焦りながら首を傾げて言った。


「ここ、どこ?」


「にゃっ!?」


 それにはエペラー、口を開けて一瞬固まる。


「道知ってたんじゃないにゃすかっ!?」


「うん」


「にゃ~!?」


「どうしよう」


「じゃ、じゃあ元来た道に戻れば……」


 と、わタしもエペラーと一緒に後ろを振り返ったが、


「馬車、横の大通り走ってるね」


 どうやらわタし達は、運よく軽快に馬車の少ない時間に道を走っていたみたい。

 今は大通りに仕事か、運搬か、理由は色々かもしれないけど、馬という馬がひしめき合っている。


「これじゃ多分、執事の馬車はどこかで止まってるかも」


「にゃ、にゃ……」


「完全に、はぐれちゃったね」


「……」


「……エペラー?」


 ガックリと頭を俯かせるエペラー。

 ……あ。

 と、ようやくわタしは事の重大性に気づいた。


「もしかしてエペラー……こっち方面に来たことは……」


「あ……あ……」


「あ?」


「あるわけ、ないにゃすううううううううううううううううう!!」







 

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