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「『5人の』…?それは…、なに?」
武装警官のリーダーとおぼしき中年男が面食らった体で、壁の穴の、外と中。
BSSテレビの関記者と、止まらない男。
ノンストップ・ラヴェンダーを見比べている。
「あら?ご存じない。『5人のギャング』をご存知ない。マジのガチのデラベッピンに、『5人のギャング』をご存知ない。へえ。聴いてこっちが驚いた、あんた、カナダにでも住んでんのかい。」
止まらない男。
ノンストップ・ラヴェンダーが呆れたように、やれやれやれと首を振る。
「本官の管轄は都内だ!貴様、本官を侮辱…ぶっ侮辱しておるのかァ!!」
武装警官のリーダーとおぼしき、中年男は止まらない男。
ノンストップ・ラヴェンダーの人を食った仕草が、よっぽど頭に来てしまったのか。
はたまた彼はカナダの出身で、思いもかけずにコンプレックスを刺激されてしまったのか。
真っ赤な顔に湯気を昇らせ、再び怒声を発しはじめる。




