99/1502
2 - 52
「たとえ奴でも、これだけの数のミサイルの直撃を受けてはとても助かるまい…なっ、なんだってー!?」
止まらない男。
ノンストップが驚愕の叫びを上げる。
モクモクと上がる黒煙、燃え盛る炎を背景に。
ゆらりと陽炎のように立ち上がる銀の鎧。
甲冑の騎士。
ナイトインアーマー、つとめて健在。
「わざとらしいんですよ、なんでいつも顎をシャクレさせるんですか?…にしても。相変わらずの、不死身ですね。」
ラジオコントロールが眼鏡をクイッとやる。
爆ぜる火花。
揺れる熱風のゆらぎ。
秋の宵に炎の音が静かに続いている。
ズシャリ。
金属の擦れ合う硬質な足音が加わった。
ズシャリ。
「それはどういうことなんだ、キバヤシ!?」
ズシャリ。
「一体なんですかそれは。」
ズシャリ。
重い足音は一歩、一歩。
ふざけた二人への距離を確実に縮めてきている。
ズシャリ。
ズシャリ。
ズシャリ。
バブーン!




