94/1502
2 - 47
夜空を焦がし、明々と燃える炎。
巨大な御殿の一部が崩れ、無惨な瓦礫と化している。
篝に照らされた大地の上。
西から東へ流れていく鯨のごとき巨大な陰影。
ひとつ、ふたつ、みっつよつ。
「ちょ眼鏡!眼鏡眼鏡!あれ普通に発射したらいろいろヤバい類いのミサイルじゃね?おちびちゃんとか、おデブちゃんとかそういうヤツの!」
止まらない男。
ノンストップがやりすぎ!やりすぎ!と、ゲラゲラ笑い転げる。
笑い声もノンストップ。
「『なるべく派手にやれ。』そういうオーダーでしたので…まあ。一応手加減はしたので通常弾頭です。」
真面目くさった態度で事務的に答えるラジオコントロール。
クイッとやるのは眼鏡である。
「はー。いったいドコ国の隠しミサイルなんだか。これが後の第八次宇宙大戦の引き金となるとは、この時のぼくらはまだ、思いもしなかったのディス。」
不吉なナレーションが語られる。




