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月明かり。
夜空にでかくて丸い月。
冷たい路面を冷たい月の、青の光が凍らせる。
大きいの、ちいさいの。
でこぼこ伸びる不揃い5つのシルエット。
5人の俺らが見ている先に、でかい屋敷がでかくひろがる。
すべてが凍った夜の町。
しんと静まりねむる町。
うごく者みなねむったあとの。
にごった黒を俺らは見ている。
いまはしずかに夢にしずんだ。
年のはじめの、ながい夜。
こんなふうに5人の俺らが、5人揃って並んでいるのは。
話数にして320回
リアルな日数で1年半ぶりくらいじゃないかな。
くらいじゃないかなと俺は思う。
「ああ、確果にお久振りかもな…。で、如何して此場に5人集合ってるんだよ。」
俺の隣で長髪が言う。
俺か。
俺は隣のやつが、宇宙に行く前にいちど刑務所外で会おうと言っていたからきた。
腹が減ったぞ。




