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「ちょっと、聴いてるの!!!?ねえ!!!!」
『聴いてるの!!!?ねえ!!!!!』頂きました。
ようやくパワー切れですか。
当然聴いてはいませんが。
眼鏡ガードの粘り勝ちです。
眼鏡は眼鏡をクイッとやります。
「まったく、あなたは…!相変わらずというかなんというか、久々に会う元上司の、苦労話のひとつふたつくらい聴く気になりなさいよ…。」
向かいの方が困った視線を、眼鏡に向けて送ってきます。
ああ、いえ。
聴く気がないというか。
眼鏡もさっきから実は、大分困っておりまして。
「……?何?また例によって、明日仕事だから早く帰りたいとか言うんじゃないでしょうね…?」
いえ、まあ。
それはもちろんそうなんですが。
ただその、なんというか。
なんでそんな話を僕に聴かせるのかな、と思いまして。
「はぁ!?あなただから話せるんじゃない、こんな話!!言わせないでよ!!!」
いえ。
そうではなく。




