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「ファンなんでしょ?あなたたち、教授の。」
殻禍うように隣席の美女が、上目遣いで睨めあげる。
いや、別段。
それは糞馬鹿だけだ。
脳裏に糞馬鹿の阿呆面が映び、俺は一瞬、不機嫌になる。
成程、な。
あんたが用のあったのは、俺個人じゃなくって裏稼業ってワケかい。
やれやれやれと肩を竦める。
「ふふ?残念だったかしら。」
隣席の美女は妖艶に微笑う。
是。
俺は個人に用があったんでな。
俺は内ポケに右手を差入れる。
一瞬間。
隣席の美女が身構える。