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「ん~、やってるねえ、やってるねえ。文句を垂れず無駄口叩かず、みんな真面目に黙々と、休まずサボらずミスせずに。成果を上げているねえ、上げているねえ。こういうバカでもできる単純作業をさせとく分には、バリトンニューム情報素で操作されたロボット人間の方が都合がいいよねえ。目論みどおりに事が運んで、うれしいねえ、うれしいねえ。」
看守長のやつが誉めているな。
おい、看守長のやつが誉めているぞ。
よかったな。
腹が減ったぞ。
「ピコンピコーン!ピコンピコーン!」
看守のやつが光ってるな。
こんどはなんの合図なのかな。
「ソ、ソニックぅ君、ソニックぅ君。いまのは『飯はさっき食べただろう!?』ってぇえ、ツ、ツ、ツッコミだったみたいだあよおおぉ。」
そうか。
ピコンピコーン看守のやつはいつも無愛想なのかと思っていたが、あんがいくだけたところもあるんだな。
あるんだなと俺は思う。
おい、腹が減ったぞ。