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不運。
機械人間の脚下が爆ぜる。
おっと。
地雷源、だったな。
目の前に朦妄と巻き上がる砂煙、土埃。
お誂え向きの煙幕だ。
僅かに透ける広い背中。
意に介さず。
次の一歩、次の一歩を大股に踏み出す。
不運。
不運。
不運。
次々と。
爆発音が前進して行く。
タタタタタタタと軽い機械音。
お次は機関銃、だっけか?
人感センサー。
門扉の上から放たれる銃弾。
残念。
反応したそれは人間じゃない。
3歩先行く背中。
筋肉で銃弾を爆き返し。
何事もなく無人の野を行く。
無敵だな。
愚握。
太い両腕が門扉を掴む。
バチバチバチと走る高圧電流の輝き。
白、青、紫。
緩慢に。
遇と力を込め、抉じ開ける。
道は拓かれた。
さあ。
後は思う存分暴れてくれ。




