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「看守長の僕が来たっていうのにねえ。出迎えどころかこいつらときたら、おはようございますのあいさつもない。毎日決まった時間に決まったことをやらせる分には十分なんだけどねえ。もう少し、ピコンピコーンで細かい指示を出せるようになるといいんだけどねえ。」
看守長のやつが当番看守をつついているな。
当番看守はピコンピコーンと、光って鳴っているだけだ。
おい。
ピコンピコーンじゃなくておはようございますと言うんだぞ。
朝はおはようございますだ、軍刑務所でもあいさつは大切だからな。
「ピコンピコーン、ピコンピコーン。」
「ピコンピコーンじゃないよまったく…おはようございますって言わせるにはどうすればいいんだっけ。湯川専務にマニュアル借りてくればよかったねえ。困ったねえ、困ったねえ。」
看守長のやつが困っているな。
当番看守のやつがあんがい強情で、おはようございますを言わないから困っているのだろう。