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俺とオッサンが突撃んで、オバマを奪還する。
中に入ったらオッサンは警備の連中を蹴散らしてくれ。
三人は成るべく派手に暴れて、とにかく状況を掻き乱して欲しい。
指揮者として。
的確、最低限かつ必要十二分の指示を出す。
「オゥ!任せとけ!」
馬鹿が気持ち良く親指を立て応える。
こういう時。
馬鹿の単純さは何より頼もしい。
何だかんだで馬鹿を当てにしている自分に気付き、苦笑う。
派手に頼むぜ。
右手を掲げ。
背を向けたのは少々、気恥ずかしさが有ったから。
「オゥ!任せとけ!」
馬鹿の返事が気持ち良く背中を押す。
さあ。
行こうぜ、オッサン。
胸を張り。
ポキポキと首を鳴らし、進む半裸の機械人間。
幅広い背中が視界を塞ぐ。
この世の何より頑丈く、信頼できる防御壁。




