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「…にしても、ぶったまげたぜ。まさかオバマ泥棒がライバル企業、オイストリッヒ社の社長サンとはねぇ。お宅の社長さん、なんか相当恨み買ってんじゃないの。何コレいじめ?いじめ?」
馬鹿が眼鏡を突っつき回す。
「我社の、って言わないでくださいよ。」
眼鏡が不機嫌になる。
まあ、そう怒るな。
下手人が誰であれだ。
オバマ強奪犯がこんなにも堂々と。
自宅の豪邸に獲物を置いて当然に生活して居るなぞ。
馬鹿の言う通り、驚愕なのは間違いない。
まして。
G・P・Sすら切らずに追跡し放題で放置しているなんて、とんでもない余録付きだ。
正しく大驚愕、奇跡的な迂闊さだぜ。
大袈裟にお道化て肩を竦めて見せる。
ん。
馬鹿が何か言いたげに俺を凝視ているが。
何だ。




