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「イタリアから来た世界一腕の立つ殺し屋の、ピッツアマルゲリーさんだ。」
自慢げに。
太った男が変な男を紹介する。
「ミーニマカセテオケバ、ミサイルガフッテキデモシナイカギリ、ノーチェインジネ!チェインジハ3カイマデ、イエスウィーキャン!」
自慢げに。
変な男が変な自慢をする。
「素敵ね。」
対面の美女が妖艶に微笑む。
「(でも。私のご贔屓のチンピラくんたちは、案外。ミサイルよりずっと危険かもしれなくてよ?)」
脳裏に深夜の酒場の光景が甦り、美女の微笑は苦笑へと変わる。
「連中を甘く見ない方がいい。」
くぐもった声がぼそりと呟く。
一同は声の方へと向き直る。
摩訶不思議。
応接間の調度品と思われた、西洋騎士の甲冑。
それが同じく向き直り、一同に視線を合わせている。
「ハーナンダコイツ!カザリカトオモッタラ、ナカミガハイッテヤガッタ!ヘンナヤツダ!」
変な男が叫ぶ。
変な男である。




