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「あ、あぁ…あ、アイスクリーぃ、ムう。」
隣のリヤカーのやつが答えてきたな。
ちがうぞ。
上のふたりがあぶないじゃないのかときいているんだ。
アイスクリームの話はいましていないぞ。
「ぁあ…う、ぅぅうん…?あ、ソニックぅ君。ひさしぶりだあねえ、ソニックぅくぅん。」
隣のリヤカーのやつはどうも、話が通じないみたいだな。
こいつもかついで走っているから、きっと仕事中なんだろう。
仕事中だから忙しくて、ちゃんとこたえられないんだな。
こたえられないんだなと俺は思う。
「ソニックぅ君、さいきん軍刑務所で見ないとぉ思ったらあ。こんなところで走ってたあなんて。お仕事かい、ソニックぅ君はむかしから、働き者だあもんねえ。」
なんだ。
隣のリヤカーのやつが親しげに話しかけてくるな。
仕事で忙しいんじゃなかったのか。
あんがい気さくなやつなんだな。
俺のことを知っているみたいだが。
誰だったかな。