81/1502
2 - 34
「だいたいよー。結局、オバマ返した分の謝礼だって受け取ってないんだろ?完全タダ働きじゃん。お前バカじゃん。」
お前バカじゃん?と。
馬鹿が小首を傾げて見せる。
馬鹿はお前だ。
それに。
報酬ならもう、受け取っている。
誇りに傷を付けられた。
これは大きな貸しだ。
軍刑務所にも連絡を入れておけ。
飯を十二分に食わせてな。
統率者として最低限の指示を出す。
馬鹿はブーブー言い続け。
謎のロボットはガーガー滑っているが無視する。
統率者とは時に、独裁的な決定力も必要とされるものだ。
茶碗を口に運びつつ。
瞼の裏の美女に語り掛ける。
俺の美学に銃口を向けた代償は高いぜ。
鹿尾菜汁の濃厚な味が舌に触れ、拒絶した口顎筋が勢いよくそれを噴射した。




