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「(ふぅ…今回もどーにか、僕の思い通りに進められたようだねえ…もし独断のまま各地で大規模な集団感染、いわゆるコマッターを発生させて回った責任を追及されてたら!我々、僅か14人で全宇宙を裏から支配するという噂の宇宙海賊組織、通称『フォーティーン』死の掟により処刑されてしまうところだよ…ああよかった、きよはら、きよはら。)」
暗黒の宇宙空間。
遥か地球を見下ろす静止軌道上に浮かぶ、六角形の宇宙ステーション。
人呼んで『スペースペンタゴン』その内部、最上層のVIPルームに続く廊下を、ひとりごちつつ小太りが歩く。
たぷたぷ揺れる小太りのあとに、痩せた男がふらふらつづく。
「ぅアイス…クリームぅ…アイスクリームぅ、は、いかが…ですか…。」
ぶつぶつと。
独特の節で男が呟く。
「うるさいよ。君は有能なんだけど…、常にラリってるのが珠に傷だな。」
小太りの眉間の余った肉が、不機嫌そうに皺を集める。