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失敬。
裏稼業の間は。
仲間同士の私生活には言及しない。
それが仲間内の規則だったな。
謝罪の意味で肩を竦める。
「いやはや。まじめなサラリーマンの方はお辛いですなあ、ハッハッハッハッハ。」
馬鹿が無神経に笑う。
私生活には言及しないのが規則だと言っているだろうが。
馬鹿が。
眼鏡の眼鏡に殺意の光が点る。
端末をポチポチと悪戯る眼鏡。
テレビの画面がニュースに変わる。
「あー!変えんなよぉー。」
文句を言う馬鹿。
そんなに真剣に「新幹線ジェファーソン」を観ていたのか馬鹿は。
遠隔操作されたミサイルが降ってこなかっただけでも有難く思うんだな。
険悪な雰囲気を遮るように。
ガーと騒音を立て、謎のロボットが二人の間に滑り込む。




