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プルルル、プルルと電話が鳴ります。
もう既に。
この電話に出たら負けと言える状況ですが。
眼鏡を突き刺す冷たい視線。
周囲を囲む冷たい視線。
将来的な自社の利益を計算に入れ、敢えてこの選択をしている。
眼鏡に理解は得られません。
無言で迫る圧力に負け、眼鏡は遂に電話をとります。
この試合。
諦めた眼鏡の負けで終了のようです。
お電話たいへんお待たせ致しました。
担当、常恒が承ります。
宇宙時代のビジネスの。
欲望渦巻く無情の戦場。
敗れた眼鏡が個性を発揮。
アイアムオバマ・コーリング。
そんな応対を許されるはずなく。
紋切り型の、決まり台詞の。
マニュアル通りの対応をします。
「ピコーンピコーン。ピコーンピコーン。」
なんでしょう。
電話の向こうでお話の方は、ビジネスマナーに則らない。
非常にフリーダムな音声を、眼鏡に向かって放ってきますが。
なんと応えたものでしょう。