表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
653/1502

7 - 5


画面の中、見慣れた顔のアナウンサー。

手慣れた様子でフリップを指す。

説明するのは聞き慣れた。

ここ数ヶ月で毎日目にする。

定型文の箇条書き。


・体内に一定量以上の一酸化バリトンニュームが堆積。

・体内の一酸化バリトンニュームが共鳴現象を起こす。

・セポインの蜂起。

・ピコーンピコーンと言い出す。


チラと横目に母さんは。

うんざりした顔、向き直し。

「ちょっとあなた…聴いてるの?」

坊やのパパに問い掛ける。

「ピコーンピコーン。ピコーンピコーン。」

坊やのパパはまっすぐに。

背筋を伸ばして母さんに答える。

「ピコーンピコーン。ピコーンピコーン。」

坊やも背筋をまっすぐに。

行儀正しく母さんに答える。

「あな…た…?」

たった一人の母さんを残し。

お部屋の中ではピコーンピコーン。

テレビの画面もピコーンピコーン。

隣のおうちもピコーンピコーン。

夕暮れの街がピコーンピコーン。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ