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「会議を再開します。本日の議題は…。」
何事もなかったかのように。
<当番>の男が会議を進める。
この<当番>の男の頭は「円滑に議事を進行していく」、それがなにより最優先。
そういうキャラクターではあるのであるが。
僅か14人で全宇宙を裏から支配すると噂される宇宙海賊組織、通称『フォーティーン』。
彼ら自体が総てにおいて、無駄を省き、不要を棄てる。
そういった合理的判断を主是としている、非情なブラック組織であるのだ。
「(ふぅ…どうにかクラシックな催眠術で切り抜けたものの…ヒヤヒヤものだったねえ、やばかったねえ。)」
円卓の一角、闇の中。
小太りの男が携帯電話を。
先日の騒動の現場で拾った、「彼の」携帯電話を握りしめる。
「(トランプ計画。多少、プロジェクトの修正が必要になっちゃったねえ。)」
暗黒の宇宙空間。
悪の組織の陰謀は、地球を見下ろす高みから。
静かに密かに進行していた。