645/1502
6 - 200
「機密情報の塊といえる携帯電話。うっかり落としました、拾われましたじゃ済まないんだよねえ。いったいどこから情報が漏れたのか、不思議に思っていたのだけど…。」
小太りの摘まんだ携帯電話。
ぷらぷらぷらと左右に振れる。
催眠術の振り子のように。
規則正しく左右に振れる。
「我々、僅か14人で全宇宙を裏から支配すると噂される宇宙海賊組織、通称、『フォーティーン』。規則4の3項に基づき。アオザメータ議長への懲罰動議を提案します。」
冷たく見下す小太りの眼光。
パチパチパチと無情の拍手。
操られてでもいるかのように。
機械的な、満場の拍手。
死の宣告への肯定意思を、円卓に座した面々が示す。
「違っ…!待て!!待ってくれ、これは何かの間違い、陰謀!そう、この私を陥れようという、卑劣な陰謀…!!」
暗闇の中の青ざめた声。
ただ一人。
慌てふためく青ざめた声を。
満場の拍手が掻き消してゆく。